日常

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「手合わせ、お願いしても良いっすか?」 「あぁ」 「どうぞ」 狼は竹刀を手渡した。 本当なら真剣でしたいところだが、部下を傷付ける訳にはいかない。 「ありがとう」 「んじゃ、行くっす!! シッ!!」 いきなり仕掛けてきたが、それを簡単にかわす。 「俺もやろうかな。 ハッ!!」 居合を仕掛け、それを狼が受け止めたが、その時に隙が出来、背後に回っていた優牙に呆気なく一本を取られてしまった。 けして狼が弱いのではなく、優牙が強すぎるのだ。 「ハハハ また負けちゃいました」 「隙は命取りだ。 何時でも相手してやるから、頑張れよ」 「はいっす!!」 優牙の良いところは才能を鼻に掛けるのではなく、周りと共に日々、強さを追い求めているのである。 そこに惹かれるのもまた一理。 優牙は竹刀を片付けると、ジムを出て朝食を食べに向かった。 「また狼のお相手ですか」 そこには、龍が食事の準備をしていた。 龍は事務的なことから家事まで、なんでも出来るのだ。 「あぁ。 大分筋も良くなってきた。 成長が楽しみだ」 「はい、本日の朝食で御座います」 「旨そうだな。 頂きます」 朝食は、大抵いつも和食だ。 今日もありきたりのご飯に味噌汁、魚に漬け物。 「ご馳走様。 旨かった」 「お粗末様です」
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