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「……え?」
大きく瞬きをする俺を前に、かれんちゃんはにっこりと微笑んだ。
「私が怖がってると思ってわざと笑いで和ませてくれたんでしょ?流石ミコちゃんっ」
そ、そう思ってくれたなら良かったけれど……何か釈然としねぇな。
「ま、まあ、なっ」
慌てて相槌を打って誤魔化す事しか出来なかったけれど、逆に彼女のおかげで緊張が解れていく自分がいた。
「でもね、もう小学生じゃないんだから~!カレーの匂いもしないし、お化けや幽霊だって怖くないよ」
不意に彼女の瞳が真剣な眼差しに変わる。
至近距離での上目遣いに、思わず生唾を飲み込む。
「……ミコちゃんにとったら、私はいつまでも小学生の頃の同じクラスの“東雲さん”のまま?」
……それって、どういう意味だよ?
彼女の言葉は、正に俺の心臓に命中。
速まる鼓動を聴かれやしないかと、思わず身体を離した。
手の遣り場に困り果てゆっくり腕を退けると、かれんちゃんはまたパッと笑顔に戻って。
「なんて、ね。ふふっ。ミコちゃんは小学生の頃と少しも変わってないのね」
うわー……それこそ、どういう意味だよ?
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