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昼。
「いっやー、まさかゆなちんと紺野がデキてたとは」
「デキてないってば!」
「いやいや、朝のカップル宣言には驚いたよー」
「もう…みっちょんまで…そうゆう」
みっちょんは、髪を上に大きく束ねている瑞穂ちゃんという子で、この子も私の友達だ。
「いやあ、あれは誰が見たってカップルにしか見えん」
昨日初めて話したばかりだし。ほんとに違うのに。もうなんか、なに言っても無駄な気がしてきた。
「でも、羨ましいなあ。だって、紺野君て静かだけどすごくカッコいいじゃない?」
「カッコいい…かあ…」
それから、その話をずっとされて昼は終わった。
やっぱりみんな口を揃えて言うのは、『カッコいい』という声だった。
確かに、顔立ちは綺麗な方だと思う。男子の癖に白いし、肌なんか私よりも綺麗で陶器みたいですべすべ。
髪は、黒い。黒髪。
正直、亜麻色に近い、茶色の髪の私にとっては羨ましかったりする。さくちゃんは、寧ろこの黒髪と交換してほしい!と言うけれど。
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