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「い…っ、いい!じゃあねっ」
息の当たるくらい至近距離にいた為、驚いて無意識に手をバッと離していた。
「…あ」
彼の顔が一瞬だけ見える。
綺麗。暗かったからわかんなかったけど、至近距離で見ると、すごい綺麗な顔をしていた。
瞳が少し、悲しそうにも、寂しげにも見えた。
私は、一気にダッシュした。
風がふわりと頬を撫でた。
空はとっくに太陽が落ちていて、紺色に染まっていた。
あ、そう言えば私、紺野君と初めて話した…。
それから暫く、彼の触れた腕がほんのりと熱かった。
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