とんちゃんという人

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遡ること、12年前―――――――― 「ねぇねぇ、とんちゃん!!」 「んー?どしたー?」 わたしは7歳。 とんちゃんは12歳。 わたし達はお隣さん同士だった。 「あっちにね、セミの抜け殻たくさんあったの!! すごいんだよ!!」 「へー、お前が見つけたの?」 「うんっ!!みんなに内緒なの!! とんちゃんにだけ特別に教えてあげる!! 来て!!とんちゃん!!」 そう言って無邪気に笑うわたし。 わたしに手を引っ張られて一緒に 微笑んでるのはとんちゃん。 あの頃のとんちゃんもわたしもまだ無邪気で、 仲がとても良かった。と思う。 兄弟の居ないわたしにとって とんちゃんは大きなお兄ちゃんで 、わたしはとんちゃんが大好きだった。 優しくて、優しくて、いつもわたしのワガママに 付き合ってくれて、振り回されても笑顔で… そんな優しいとんちゃんが大好きだったのに………!!!!!
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