とんちゃんという人

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「砂姫さんには申し訳ないんだけど、 俺、とんに逆らえないんですよね… すいません、名前ばかりの総長で」 「…あ…? 本当に名前ばかりの総長だよね。 運転下手すぎるし、チャラいし、バカだし、 自分の意思ないし、理解能力ほぼないし、トロいし。 総長の名前が泣くわね」 困った笑顔で謝る総長に めちゃくちゃムカついて、 思わず毒を吐いてしまった。 わたし、やっぱコイツら大っ嫌い。 総長はバカだし、とんちゃんはクソだし、 コイツらマジ嫌いっ! 「砂姫さん…あんまりっしょ…」 総長を見るとしょげくりかえっていた。 心なしか盛り盛りの金髪までボリュームがなく見える。 わんこならキュウーンとでも言う感じ。 フハハッ ざまあ。 「…砂姫さん、すんません。 マジすんません。俺の力がないばかりにつらい思いさせてしまって…」 「白々しく謝るくらいならなんとかしてよ」 「…え」 ピキーンッ 「あ、涼のヤツ固まった」 とんちゃんが笑う。 これぐらいの事でショックを受けて固まるヤツが族のトップなんて務まるの!? マジで心配になるよ。 …で、涼って………だれ?
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