失われた因習

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「今では一切食べられていないんですね。でももっと話が聞きたいです。誰か詳しい人を紹介してもらえませんか?」 女将さんが補足した。 「お寺さんにいけば、昔の記録が置いてありますよ」 「分かりました。行ってみます」 「じゃあ、私がいこう」 おばあちゃんが案内を買って出た。 萱野はありがたくその厚意を受けることにした。 食事代を支払うと、外に停めてあった車に乗った。 お礼をしようと食堂を振り返ると、女将は急いで暖簾を片づけている。 『もう店じまいか』 客が来ないから早いんだなと考えた。 軽トラで来ていたおばあちゃんの先導で寺に向かった。
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