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「で、これからどうするんだ?」
「……行き先ってないよね」
里を出たは良いけど、行き先がない。
「……取り敢えず、町に行って情報収集するぞ」
「それが一番だね……」
そう話をまとめると、苦笑いしつつ私達は山を下りた。
***
「ッ、わぁ……!!」
初めて見る町は想像より賑やかでキラキラして見えた。
「あんまキョロキョロすんな!
一緒にいるこっちが恥ずかしい!!」
「だ、だって諒は術の扱いも上手いから長の手伝いで町に来たことあるだろうけど……。
私はまだ「術が未熟だ!」って言われて里から出たことが無かったんだからね!!」
少し頬を膨らませてそう告げれば諒は呆れたように笑った。
「バーカ!
取り敢えず、宿を探すぞ。
休む場所を見つけてからじゃないと情報収集も大変だろうからな」
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