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紅葉side
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「諒(リョウ)!
待ってって言ってるでしょ!!」
「だから待ってたろ?
それに時間を気にせずあんな場所に登ってた紅葉が悪い」
「う゛……」
そりゃごもっとも。
正論を言われてしまった私は何も言い返せなくて、俯いて唇を噛んだ。
すると、頭に微かな重みが加わる。
「諒……?」
「暗い顔すんな!
お前には、んな顔似合わねぇよ」
顔を上げれば、夕日の方に顔を向けた諒が居た。
気のせいか、少しだけ顔が朱い気もしなくもない。
「ほら、早く長の所に行くぞ!」
「……うん!!」
前を歩く諒を追って、私は長の家へと向かった。
***
「二人を今日呼び出したのは他では無い。
二人の今後についてじゃ」
長の家に行けばお手伝いさんに広間に通され、長と向かい合って座った。
私達が座ったのを確認すると、長は話し始めた。
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