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「今後……?」
「俺達は今後もこの里で暮らすのでは無いのですか?」
「そう慌てるでない。
まずは、昔話から始めようか……」
私達の疑問に対して、長が話したことはある人の昔話だった。
昔々、この里には類い希な才能を持つ陰陽師が居て、同時期に九本の尾を持つ狐の妖怪が出没しだしたらしい。
偶然、森を歩いていた男は九尾と出逢い、恋心を抱いていった。
九尾は術で人の姿をしていて、その体には綺麗な銀色の耳と尾があったそうだ。
たまに狐の姿で会っていたこともあったらしい。
男はその女が九尾だと自分の素性を明かしても好きで居続けたと言う。
里の者にこの事がバレ、封印を命じられた男は女を封印するのが嫌で里を飛び出し、女と残りの生涯暮らし続けたそうだ。
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