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その話を聞いた私は何故か切なくなった。
女の立場から考えれば、好きな人が己の居場所を捨ててまで共に居る事を選んでくれたんだ。
私はそれに憧れた。
「ですが、長。
その話が俺達とどんな関係が?」
話が終わったのと同時に、諒が鋭く聞き返す。
「ふむ……。
紅葉よ、お主の両親の話を知っているかな?」
「はい。
父様と母様は任務の途中に亡くなってしまったって……」
私には物心付いた時から両親が居なかった。
そんな私が知っている両親の情報を話せば、長はゆっくりと頷く。
「それでな、その陰陽師の髪の色は綺麗な狐色……つまりは茶色じゃな。九尾の瞳は緋色だったんじゃ」
「え……?」
「お主の父と母はこの話の陰陽師と九尾じゃ」
「えぇ!?」
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