15人が本棚に入れています
本棚に追加
「それは、どういう……」
「言った通りじゃ。
“人”として、妖の部分を封印し陰陽師になるか。
“妖”として、この里の者に封印されるか。
選択は一回限りじゃ」
長は私の動揺なんて気にしていないとでも言うかのようにスラスラと言葉を紡いでいく。
「“人”として生きるのであらばこの里の実力者達を集めてお主の妖の部分を封印する。
九尾は危険な妖怪じゃ。
妖の中でも指折りの力を持っておる。
このまま野放しにしておくほど危ないことは無いんじゃよ。
……“妖”として生きるのであらば。
お主はこの里の敵と見なす。
その時は諒、お主に封印を命ず。
初任務だ、必ずや成功させるのじゃぞ」
長の言葉に私の目の前は真っ暗になる。
諒の顔も驚きでいっぱいだ。
まさか自分の初任務が幼なじみの封印だなんて、諒も驚くだろう。
ましてや、ずっと人だと思っていた幼なじみが半妖なんだ。
驚きなんて表現、通り越してるだろう。
最初のコメントを投稿しよう!