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「紅葉。
お主の答えを言え」
「答え……「紅葉ッ!!」…諒。私……」
私が迷っていると諒が悲痛な顔をして此方を見てくる。
……決められないよ。
だって、会ったこともない父様と母様の話をされて、私は半妖だって言われて、終いには生きるか死ぬか選べ?
父様の力だけを受け継いで母様の力は危険だから捨てろ?
母様の形見なのに?
……私に妖力があるかなんて分からない。
でも、母様の力を捨てるなんてしたくない。
そうしたら、死ななくちゃいけない。
私は生きたい。
……なら、答えは一つだけだよね。
私は覚悟を決めて、顔を上げて真っ直ぐ長を見る。
「……決まったようじゃな」
「はい」
そんな長とのやり取りを見ている諒の顔には不安がある。
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