自分の夢は貫く物だ!

9/12
前へ
/33ページ
次へ
「私は……生きたいです」 「ならば「ですが!」 長の言葉を遮り、膝の上に置いてある手を握り締める。 「私は、母様の形見とも言える力を封じたくないのです!」 そう告げた私を、長の冷たい瞳が睨み付ける。 「……妖力も封じずに半妖として生きると? 随分と虫の良い話じゃな?紅葉。 何も犠牲にせずに生き続けると言うのはただのお主の我が儘じゃ。 犠牲無しでは何事も成功なぞせん」 「ッそれは!その通り、ですが……。 ならば長。 半妖が陰陽師になっていけないとは誰が決めたのですか? 何事にも初めは前例はありません! 私は、私のまま……半妖の陰陽師になって見せます!!」 長の威圧感に負けないよう、目をそらしたい衝動に駆られながらも、しっかりと長の目を見て告げる。
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加