15人が本棚に入れています
本棚に追加
「私は……生きたいです」
「ならば「ですが!」
長の言葉を遮り、膝の上に置いてある手を握り締める。
「私は、母様の形見とも言える力を封じたくないのです!」
そう告げた私を、長の冷たい瞳が睨み付ける。
「……妖力も封じずに半妖として生きると?
随分と虫の良い話じゃな?紅葉。
何も犠牲にせずに生き続けると言うのはただのお主の我が儘じゃ。
犠牲無しでは何事も成功なぞせん」
「ッそれは!その通り、ですが……。
ならば長。
半妖が陰陽師になっていけないとは誰が決めたのですか?
何事にも初めは前例はありません!
私は、私のまま……半妖の陰陽師になって見せます!!」
長の威圧感に負けないよう、目をそらしたい衝動に駆られながらも、しっかりと長の目を見て告げる。
最初のコメントを投稿しよう!