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『…ありがとうございます。』
私が微笑むと、彼も同じように微笑んでくれる。
そして、
「今日はもう寝よう。」
ぽんっと私の頭に手を置いて彼は立ち上がった。
『はい。』
私もゆっくりと立ち上がった。
瀬川さんは私のことを大切に思ってくれている。
…こんなに他人に思われたことは…ない。
彼は私を必要としてくれている。私も彼が必要で。
…私にも、瀬川さんしかいない。ずっと一緒にいたいと思う人は。
…過去を話すことは怖い。でも。彼といるためには私の全てを知ってもらわなければならない、そう思う。
いつか…話さなければ。
瀬川さんの姿を眺めながら、私はそう決意を固めようとしていた…
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