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暗かった視界が徐々に明るくなっていく、重たい瞼を開けると、目の前には白い天井
____何か夢を見ていた気がするが.....まあいいか
ゆっくりと手や足を動かしてみる
痛みはない......
さっきまで死にかけだったはずなのに
__気がついたら倒れていて、全身傷だらけで変な女が話しかけてきて、首を閉められ.....目が覚めたらここに.....
__駄目だ、頭が混乱する
頭を押さえながらあたりを見渡すと、家具ひとつない真っ白な部屋に白いベットの上で俺は寝かされていた
__病院....?
しばらく頭の中を整理しているうちに、ドアを2回ほどノックする音が聞こえてきた
俺が返事をする前にそのドアは開く
「あ、起きてたの?」
現れたのは、長く綺麗な黒髪を下ろし黒のワンピースを着た女
__誰だ.....
じっとその女をみつめていると、女は不思議そうに首を傾げる
「いかにも"初対面です"といいたげな顔はやめてくれないかしら」
「.....違うのか」
「心外だわ、あなたが気絶した後ここまで運んで看病してあげたのは誰かしら?」
__この女.....あのときの
いや、そもそも俺が意識を失ったのはこの女が俺の首を絞めたからだ
__なぜ助けたんだ?
女は俺を見ながらニコリと笑みをうかべる
「あなたが考えていることをあててあげましょうか?『なぜ自分を助けたのか』よね」
俺は黙っていると、それを肯定と受け取った女は話を続けた。
「言っておくけど、私があなたを助けたのではなく、あなたが勝手に生き延びただけよ?あのとき私は殺す気だったの
なのにあなたはまた息を吹き返した
あなたって不死身なの?それとも妖怪?
銃で撃って確実に殺そうかと思ったけれど、ちょっと興味が湧いちゃってね、それでここに連れて来たのよ」
女は、ながながと自分の身勝手な行為を語っておきながら、詫びる様子もない
むしろ涼しい顔で俺を見つめている
「お前は誰だ」
「私?私はただの人間よ、あなたとは違って」
女はまた、笑顔を俺に向けてきた。
わかりやすい作り物の笑顔、目は確実に笑ってはいなかった
女が徐々に俺に近づいてくると、俺はすぐベットから重たい体を持ち上げる
「俺をどうするつもりだ」
__わざわざここまで連れて来られたんだ、そう簡単に俺を返しはしないだろう。
女はゆっくりと腕を伸ばし、俺の頬に手を添えた
ひんやりとした手の感触がじかに伝わってくる
「どうされたいの?」
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