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主人――初めてユウに出会ったのは、父親に連れられて参加した、パーティーだった。
意味のない会話。牽制し合う男達。僕の見てくれに騙されて、浮かれる女たち。
うんざりして、会場の外に出た時に、出会ったのが――主人だった。
大柄で、そのくせどこか甘いマスクのその男は、女たちに囲まれ、ちやほやされていた。
せっかく喧騒から逃げてきたというのに、女たちの甲高い声と香水の香りに、頭がくらくらとした。
ため息を吐いて、その場からも逃げようとした時だ。
男がこちらに向かってきた。
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