壊楽～かいらく～

act.12 回想

主人――ユウと出会い、それから何度か彼のアトリエに足を運んだ。

彼のアトリエは居心地が良かった。

彼の持っている雰囲気と相まって、どこか世俗とは切り離されたその空間が――堪らなく魅力的で居心地が良かった。

アトリエに出入りするようになるうちに、自然と彼の自宅にも招かれるようになった。

風光明媚とはよく言ったもので。

とんでもなく田舎の保養地に建てられた彼の自宅は――ますます世俗と切り離されており。

そのまま、居着くようにして、彼の身の周りを世話するように住み込んでしまった。