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半ば冗談で彼のことを「主人」と呼び、それが定着してきた頃。
僕は主人の持つ――“秘密”に気がついた。
欲望――とでも言うのだろうか。
主人は女性に対して、歪んだ欲望を抱えていた。
快楽を与えて――壊れるほどに快楽で女性を責めたい。
もっとも。
それを実行には移していなかったようだ。
その手の映像や画像を見たり、小説を読んだり。
時には、お偉方の紹介で、その手のショーをやっているところに通ったり。
ただ、傍観して欲求を満たしていた。
女性に対して、自分からそれを実行に移すことは躊躇っていた。
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