ポセイドンの湯

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「わかった。 わかったから。 それじゃ、背中、お願いします。」 「はい、ではこちらにどうぞ。」 とは言ったものの、キレイな女性がいる前でタオルも無しに湯舟から出るのはやはり気が引けるし正直恥ずかしい。 ほとんど貸切状態だったので、タオルもシャワーの辺りに置きっぱなしだった。 「上がりたいんだけど、その前にさ、タオルとってくれない?」 「わかりました。 これでよろしいですか?」 シライは、わざとなのか勘違いしたのか、自分の胸から下を隠していたタオルをスルッと下に落とした。 もちろん、オレが要求したのはそんなことじゃないが、結果的にシライは何も自分を隠すものを持たず、少し恥じらいながら2つの手で上と下を隠していた。 「いや、そうじゃなくて。 オレが前を隠すタオルをとって欲しかったんだってば。」 オレはかなり慌てて訂正したが今度は 「わかりました。 では、これをお使い下さい。」 と、自分が落としたタオルを拾ってオレに渡そうとした。 その時シライは自分の下を隠していた手を離してかがんでタオルを拾ったので、オレは不謹慎ながら食い入るような目でマジマジと見てしまった。 タオルを手渡せられると。 「お気に召して戴けましたか?」 とオレに微笑みを投げ掛けた。 正直莉緒と来たのでなければ、向こうの誘い(ではないとしても)に乗って暴走してしまったに違いない。 オレはそんなに聖人君子な訳じゃない。 タオルがないと湯舟から上がれないのは言うまでもなく、気がつくとシライの身体を上から下まで舐めるように見ていた。
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