終章 泡沫の迷宮

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ふわりと。 どこかから風が入ってきた。 その風に乗って――声が聞こえた――ような気がした。 和紙を抱きしめ、走り出し、玄関に飛び出た。 風が私を横切る。 木々がさらさらと音をたて――雲一つない蒼窮の空が私を包み込む。 その中から―― 声が聞こえた――。
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