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囁かれた台詞に驚く私の表情を愉しむように彼はクスリと笑った。
はたと気づいて思いっきり彼の肩を掌で叩く。
「な、成宮さん。何言ってるんですかぁ。
ジョークが冴えてますね!グッジョブ!」
「いや、本音だよ」
「.......え,,」
「まだ君を、諦めたわけじゃないから。
そう言ったら、もう僕には会いたくないかな?」
「...へ??」
「彼氏がいる君をいまだに好きな、僕を嫌いになるかい?」
静かな路地。
頭上では、電光がじりじりと音を立てる光の輪の中にいる、彼と私。
私を見下ろす視線が熱くて、言葉を失った。
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