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「属性はどうしますか?」
「………アレはナシの方がいいだろうな…もしものことがあった時のために…」
「了解しました」
唇を動かさずに会話をし終え、丁度空いてきた列に並んだ。
「次、名前を」
「水城千夏です」
千夏の順番になり、名前を言ってから計測器である水晶玉に手を乗せ、魔力を流した。
「…………評価はBだ。惜しかったなあともう少しでAだったぞ」
教師の言葉に千夏は内心、眉を顰める。平均であるDを目指していたが二つ上のところにいってしまったからだ。
「次」
「泡沫涼夜です」
涼夜も同じように魔力を測定する。
「…………Bだな。ギリギリ」
涼夜は教師の言葉に少し意外感を持って千夏のところへ行った。
「涼夜様、どうでしたか?」
「……Bだった…ギリギリの」
「私もBでした…」
「…………意外とここのランク、低いのかもな…………」
「………そうですね」
目標としていた評価を得られず、少し反省する二人。
「えっ!?」
その時、体育館中に響く驚きの声が上がった。
二人、その場にいた全員が声が上がった方を見る。
「ハッ!あ、すみません!!なんでもありません!!」
声を上げたであろう女性教師は顔を赤くしながらペコペコと謝っていた。
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