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「…うるさいですね…はいはい凄いですね…これでいいですか」
千夏は迷惑そうな顔を丸出しにして褒めた。
「S+は珍しいね。最近出てないみたいだし…」
そんな千夏に苦笑しながら涼夜は感想を伝える。
「………それでキミたちはどうだったの?」
「僕たち?…二人ともBだよ」
「ふーん…僕はてっきり同じだと思ったのに…」
深夜は意外という感じに言った。
「ハッ、まさか。Sなんてそう簡単にいくはずないんですから」
「僕たちは深夜が思っているほど強くないよ」
深夜の言葉を口々に否定してそれぞれ空いた敷居に入る。
「うーし。得意魔法、苦手魔法と使える魔法言いやがれ」
千夏が入った敷居には廃村がいた。
「得意魔法は火、苦手は水、基本属性は使えます」
「順番にやってけ」
千夏は質問に答え、指示通りに各属性の初級魔法を発動させる。
最初は火の玉を手のひらに浮かべ、次に水の玉、風の玉、雷の玉、土の玉をと順々に。
「魔法の扱い上手いな。特に火、他も文句ねーけど」
廃村は手元のクリップボードに書き込みをして白衣のポケットから石を二つ取り出して投げた。
「…取り落としたらどうするんですか?」
石をキャッチし、睨むように聞く。
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