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ただの儀式である入学式が終わり、新入生は自分に割り当てられたクラスへと向かう。
「涼夜様と同じクラスで良かったです」
「確かに…違うクラスだったら色々と面倒なことになるからな」
「はい。教師を脅迫すると言う面倒なことにならなくて良かったです」
「そんなことにならなかったことを心から良かったと思っているよ」
涼夜は千夏の言葉に内心、冷や汗をかいていた。
心なしかさっきの言葉を聞いている人がいるかどうか確認してしまう。
「涼夜様、どうかしましたか?」
「い、いや、なんでも無い。僕たちのクラスはここだな」
千夏は首を傾げながら涼夜を見た。自分が原因だと言うことを理解していないようだ。
涼夜は会話を中断させ、クラスに入る。席を確認して座る。
「やあ、また会ったね」
涼夜たちの席の近くには深夜がいた。
千夏は顔には出さないが不機嫌になる。
「同じクラスになるとは奇遇だな…」
「そうだね。僕も嬉しいよ。キミたちみたいな気が合いそうな人と同じクラスに慣れたことにさ」
「誰がいつ、嬉しいと言ったんですか」
無表情の千夏が冷気のこもった声でいった。
その声で談笑していたクラスメイトがこっちを見る。
「そうかなあ?僕はそうだと思うけれど」
そんな中、深夜はヘラヘラと笑う。
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