第三章

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増田side 手越が僕に対してつめたくあたるのは、なんでなんだろう。 僕はあの日山下くんに犯されてから、あの日の写真を脅しに山下くんと一緒にいることを強要されている。 だから手越と一緒にいられることが少なくなってしまって。 「はい、まっすー、ソーセージだよ」 「ん……」 山下くんが笑顔で僕の口にソーセージを運ぶ。 なんか以下、頑なに口を閉じて抵抗したけど、その度放課後に殴られたからもう素直に口を開ける。 こんな姿、手越に見られたくない。 「まっすー、かわいい。」 「んぅ!」 山下くんがおもむろに僕にキスをした。 こんな、教室で。 横目で手越を見ると、手越が真ん丸に目を見開いて驚いてる。 僕はこんな姿を手越に見られたことに落胆するしかなかった。 「はぁ、まっすーってばかわいい」 「っ……」 手越、……手越に今すぐに全部話したい。 助けを求めて、手越の優しさに抱きしめられたい。 もう一度昔みたいに戻りたいよ。 もう一回始めから。 今度はちゃんと手越に好きってきっと伝えるから。 もう一度。 僕にはこの日常が、本当だっていいなんて思えないよ。
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