27人が本棚に入れています
本棚に追加
「手越……」
手越に話しかけたくて、朝手越の机の前で待った。
どんなふうに話せばいいかなんて分からなかった。
だけどともかく手越に謝りたかった。
だけど手越は結局授業が始まっても学校に来なかった。
「手越、どうしたんだろうね」
「……っ」
「あー、無視するの?まっすーは悪い子だなぁ」
「…………山下くんが、いけないんでしょ」
山下くんにせめての反論をする。山下くんはケタケタと笑って僕の腕をなでた。
授業が終わると、山下くんは僕の体を引っ張ってトイレヘ連れていった。
なにをするのと言ったて、山下くんは答えてくれなかった。
「ほら、しゃぶってよ」
そう言って僕の肩を押して、しゃがまされる。
「や、やだ……」
「まっすーのくせにそういうこというの?」
「…もう、いや……もう誰にバレたって、いいから、もうやだ……。僕は、山下くんのおもちゃじゃ、ない……」
もう山下くんと決別して生きていきたかった。撮られた写真がどこに広がりようが、もう手越に見られてしまった以上どうでも良かった。
山下くんが腹立たしそうに僕の頬に平手を打つ。
「いっ、……やだ、もうやだ……許して…!!!」
僕は初めて山下くんの頬を叩いた。
怒りに任せて叩いたせいで山下くんの頬は赤くなる。
山下くんが呆気に取られてる間に僕は体を逃がして、トイレから逃れる
手越のことも心配だし なにより山下くんがトイレから帰ってくるときが怖いから僕は早退しようと思って、カバンを抱きしめて学校を出た。
早く、手越に会いたい。
謝りたい。
それだけで僕は手越の家へと走っていた。
最初のコメントを投稿しよう!