第五章

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宣言通り、山下くんはまっすーの葬式に来なかった。 錦戸くんも会わす顔がないって来なかった。 本当は俺も会わす顔なんてなかったけど、親に怒鳴られて葬式会場まで来た。 いたのは小山とシゲとクラスメイト。 まだ高校生になって一年も立たないうちにまっすーをなくすなんて誰が思ってたんだろう。 棺桶の中眠るように目を閉じているまっすーの亡骸は信じられないぐらい綺麗だった。 俺の家に尋ねてきた時は、悩んで寝れてないんだろうと思えたくまは消えて、涙の後も消えてしまっていた。 あの時のまっすーは、もういない。 まっすーの遺体を見ると、不意に涙がこぼれた。 それはけいちゃんとシゲも同じだったみたいで、気づけば俺たち三人はうずくまるように泣いていた。 まっすー、ごめん、ごめんって謝るのは心の中だけじゃ足りなくなって、気づけば口に出して嗚咽まみれに謝っていた。 友達じゃないなんて言ってごめん。 知らなかったんだまっすーの想いとか山下くんとの関係とか。 ごめん、ごめんなさい。 傷つけてごめんなさい。 ボロボロになって、まっすーが死んじゃって、やっと気づいた。 まっすーがいた日々がどんなにかけがえのないものだったか。 戻ってきてよ。まっすー。 今度はちゃんと、また最初から。 昔みたいに笑いあいたいよ。 どんなに嘆いたってまっすーは生き返りなんてしなくて。 どんなに棺桶の中にいるまっすーに声をかけても、まっすーの目は開かなくて。 「ごめんな……、ごめんな……っ、まっすーのこと助けてやれなくて、ごめんな……」 けいちゃんに肩を叩かれても、なりふりなんて構ってられなくて。 まっすーにさよならなんて言えない。言えるわけ無い。 「手越、手越っ……!もう、時間なんだって……」 けいちゃんに引きずられるようにまっすーの棺桶から引き離されていく。 火葬場に送られていくまっすーを潤んだ視界で見送った。
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