【18】

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目元を覆われて背後から拘束され、助けを求めようにもカラカラに渇いた喉に声は出てこない。 「ノンコ……、会いたい?」 その名前で呼ばないで!! 羽交締めにする腕から逃れようともがいた。 「ノンコ…ノンコ……」 わざと吐息を混ぜて耳元で囁かれ続けられて、まともな思考でいられる訳がない。 「ま、さ…」 目に浮かぶのは昌さんの笑顔で 「ノンコ……」 強く強く抱きしめられれば、抵抗する力も奪われていく。 「昌さん、昌さん!!……昌さん!」 手を伸ばして掴んだ先にはスーツの感触。 触れてすぐに離れた唇には自ら顔を傾けて求めた。 今、目を開けて光を取り込んでしまったら、私の昌さんは消えてしまうから。 深く深く目を閉じて昌さんを求めた。 カラカラの喉は柔らかく強く掻き回す舌に潤されて、柔らかな場所を焦ったく触れる指先。 「…….してッ、ンァァ!……もっと、もっと」 困ったように首を傾ける姿を描いて、荒い呼吸を繰り返しながら、汗ばむ首筋に腕を巻きつけて名前を呼ぶ。 「まさ、さん……まさ….」 どうして、私を巻き込んでおきながら いつも私を手離すの? 私の人生は、昌さん無しでは何の色も意味も成さないのに。 脳天から突き抜ける衝撃波に痺れが残り、全身に噴き出す汗と落ち着かない荒い呼吸。 横たえた身体は、蒸発する汗のせいでゾクゾクした寒気に襲われて、湿った洋服を剥ぎ取ろとする意識に目を開けた。
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