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お母さんは私の顔を覗き込んで、勝手に私の心を覗き見る。
「ち、違うよ!彼と私はそんなんじゃなくて……」
「彼ねぇ……ふ~ん……」
無意識の内に口に出していた言葉にハッと気付いて、自分の口を手で押さえ込んだ。
お母さんの言った恋の悩みという言葉で、私の頭の中に真っ先に浮かんできたのが大谷君。
確かに今の今まで彼の事を考えていたというせいもあるかもしれないけど、彼の事を意識してしまっているという事を、この心臓の鼓動が物語っていた。
「その『彼』は、明日海に行く『友達』の中に入ってる?それとも『彼』と二人きりか?」
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