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「……桂、あのさ」
「何だ」
「ちょっとこっち、来てくれないか」
「?別に構わないが」
桂は保臣の部屋に降り立った。といっても、桂の家具配置とは違って、保臣の部屋は窓にそってベッドが置いてあるので、そのまま桂はベッドに腰を下ろした。
「実は、ずっと前からお前に言いたいことがあってさ」
「ふーん。何だ?」
「その、さ……」
「何だ?言いにくいことなのか」
「や、べ、別に……」
「なら、何だ?」
「……け、桂……俺……」
「おかしなや……!?」
珍しい、うつむき加減の保臣に首を傾げた瞬間だった。
いきなり、抱きすくめられた。
「っっ……」
あまりの突然の出来事に、桂は声を出すことが出来ない。
「好きだ……っ」
絞り出すような保臣の声。
「ずっと、ずっと好きだった……でも、幼なじみだし、男だし、今まで耐えてきた。けど……あんな笑顔見せられたらもう……我慢出来ねぇ……」
「……」
桂を抱きしめる腕の力が更に強くなる。
「悪い、いきなりこんなことしちまって。けど、もうダメだ。俺、お前のことが好きだ。凄く好きだ……っ」
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