監禁部屋

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彼の事は好きだった     いや、今も好き       だから、ふらふらしている彼を繋ぎ止めようと     監禁してみた         「俺の事好き?」   と尋ねると   当たり前のように返ってくる言葉     「うん。好きだよ」     その言葉が嘘みたいに聞こえてくるんだ       その言葉を言っておけば俺が解放してくれるとでも思っているのだろうか? 機嫌を取ろうとでもしているのだろうか?         「俺のどこが好きなの?」     「全部」         嘘くさい                     彼の晩御飯の食材を買うために、近くのスーパーに行くと女友達に会って少し長話をした           話し込んでいると、もう空は真っ暗になっていた     あぁ、彼にこれ以上は待たせられない           女友達とはそこで別れ、彼の元へと急ぐ                 「ただいま」         ガンッ     !!?     急に壁を殴る音が聞こえてきてビクつく       「遅かったね。四葉」       部屋は電気がついていなかったので真っ暗だが、彼が怒っているのがよく分かった       いつも聞く声より低い         「ぇ、と・・・友達と会って話してたんだ」     「僕の事、忘れてたの?   君が、僕を繋ぎ止めたくて、一緒にいたくて監禁してくれたんだよね?       これじゃぁ、意味ないよ・・・ ねぇ、これからは僕が君を監禁してあげる     そしたら、君はあんな女と会わないですむでしょ? 僕以外の人間と出会わなくていいでしょ♪   僕がもっと、愛してあげる」          ゾクッとした。       それに俺は、友達と言ったでけで     女だなんて言ってない。       なぜ知っているのだろうか?         けど、どうでもいいや      彼が愛してくれるなら   俺を好きでいてくれるなら         この部屋から出ない生活でも幸せだ        
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