花の守護

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「誠志さんは誰もやりたくないような汚い仕事をやってくれるんだ。敬意をはらうのは人間として当然だ」 「ってーか、説教される以前におれがあんたに付き合ってやってるんですけどっ」  昭人を襲った緑色の正体が、広希の手のひらに舞いおりる。  それは光沢のある丸長い葉で、縁にギザギザがついていた。 「おい、今の攻撃みたいのはあんたの仕業か」 「『美刀』だよ。私を守護してくれている」 「きーてんのか」 「お子さまの大人ぎらいに付き合ってる暇はないんだよ」 「なにィ!」 「こいつは十年ぐらい前に移植した椿だ」 「移植?」 「出会ったときは公園に植えられてたんだよ。遊具がかわって、子供が遊ぶのに邪魔だっていうんで処分されるところだったんだ。美刀はまだ小ぶりだったから連城家の庭に移……植できたけど、今回みたいな大きさになってくると植える場所がないから、説得して、自分の種や枝に移動してもらい、鉢で根をおろしてもらう」
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