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「ま・・・、いいけどさ。 どうせもうすぐお開きの時間だし・・・。」 彼が出てきた事により、さっきまで私に喰って掛かろうとしていた彼はしゅんと大人しくなった。 背が高く迫力のある身形。 そして薄暗い中でも印象的なブルーグレーの瞳。 私の隣に来てくれたのは悠里さん。 彼は私の手からワインボトルを受け取り、カウンターに戻れと言わんばかりに私の肩を押して回れ右をさせた。 「すみませんでした・・・!!」 回れ右をする瞬間、私は再度お客様に謝罪した。 ここはミヤビおばさんのお店。 お客さんには、決して悪い印象を持ち帰らないで欲しかったから。
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