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「んー、美味い!
まあ、こんなもんかなー!」
私はピッとクッキングヒーターの電源を切った。
お味噌の良い香り…。
私は大根と油揚げの味噌汁を作った。
冬馬の部屋の私物の処分。
それを諸々こなした後に、
私は味噌汁を作った。
私が冬馬に残していくもの、
それは形の残らないもの…。
だけどせっかく買ったこの漆塗りのお椀が無駄にならないように、
片割れは置いていく事にした。
冬馬がこれで味噌汁を美味しく食べれますように…。
私はペコリとこの部屋に頭を下げてから靴を履いた。
長年通ったこの部屋とも今日でお別れ。
名残惜しくて、
胸が締め付けられて、
淋しくて仕方なかった。
ポストに鍵を滑らせるように入れて、
もう二度と触れる事はできない。
淋しい。
淋しい。
淋しい。
これが何もかもが中途半端だった私の恋の結末。
どっち付かずだった私の結末。
もう…、
誰もいなくなっちゃった……。
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