【26】Good-bye and good-bye.

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バス停でぼんやりとバスを待ちながら、 私は金木犀の香りを楽しんでいた。 秋の香り…。 もう蝉の声は聞こえない。 秋の虫の声が聞こえる。 少し寂し気な声。 鈴虫なのかな…? バスを待つ気分もあの時とは違っていて、 私はどこか清々しい気分だった。 一人になって…、 誰の気持ちにも気を使わなくなって、 私は心の底ではホッとしていた。 どちらか一人を選ばなければいけないなら、 どっちも要らない…。 初めからそうしていれば良かった。 こんなに気持ちが楽になるのなら…。 だけど私も怖かった。 一人になるのが怖かった。 冬馬はそんな私に気付いていたのかもしれない…。 だからきっと背中を押してくれた…。 冬馬の優しさに、 荒野の潔さに、 二人に感謝しつつ、 冬馬にも…、 荒野にも…、 二人ともGood-bye and good-bye.
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