【26】Good-bye and good-bye.

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フフ。 本当はわかってるんだ…。 私には二人とも必要だった。 二人とも必要で、 そして二人とも役割を終えたんだ。 私に恋を教えてくれた荒野。 そしてドン底に突き落とした。 それを引っ張り上げてくれた冬馬。 私に深い愛情を注いでくれた。 子供のように素直で感情的な荒野。 時に情熱的で、だけど大人な冬馬。 二人とも必要で、 だからこそ今の私が在るんだ。 「杏奈ー!! ちょっとこっちにおいで!! 今テレビに冬馬が出てるよー!!」 「え?嘘っ!?今行く!!」 私は急いでテレビの前に座った。 お婆ちゃんはすでにあんことソファーに座り込んでいる。 私はとにかくテレビの中の冬馬に釘付けになった。 冬馬はなぜだか記者に囲まれていた。 『今回の新曲はどのような心境で作詞なされたんですか!? 結婚は破談になったとネット上では騒がれていますが、 それは事実なんでしょうか!?』 あっ…、 私との事じゃないか…。 夏に結婚します宣言しちゃってたからなー。 冬馬との関係が終わって早2週間。 冬馬は何て答えるんだろう…。
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