【26】Good-bye and good-bye.

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『結婚が破談になったのは本当です。 ですがそれは心変わりとかではなくて、 お互いを想い合ってこその決断です。 俺は今でも彼女を愛してますし、 まあ、新曲を聴いてもらえばわかると思います。』 言った後、冬馬は足早にその場を立ち去った。 「さすが冬馬、カッコイイね。」 お婆ちゃんがボソッと呟く。 「うん…。」 私もそれに相槌を打つ。 「逃した魚は大き過ぎたんじゃないのかい?」 お婆ちゃんはニヤッと怪しい笑みを浮かべながら私を見る。 私もニヤッとお婆ちゃんに笑いかける。 「逃した魚は大き過ぎたけど…、 後悔は全くしてないよ。」 そう、後悔はしてない…。 ただ冬馬を見ると胸がざわつくだけ。 永遠にざわつけばいい…。 それが私が冬馬に付けた傷だから…。 「さーて、ファン1号はCDでも買いに行きますかね!!」 私はゆっくりと立ち上がる。 冬馬から貰ったブルーダイヤモンドは、 今でも私の薬指にはまっている。 これはお守りだから、 当分男避けの為にそのままにしておこうと思っている。 荒野の靴下はピンチハンガーからようやく外して、 今はダンボールの中で荒野の鍵とキャンバスと共にクローゼットの中だ。 私が前を向いて歩く事。 それは二人からの卒業を意味している…。
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