【4】好きだ、バカ!!

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「ねえ、最近こうちゃん部活終わった後何してるの? いっつもダッシュでどこかに行っちゃうじゃん。」 果穂が俺の渾身の力作、ペンギンの彫刻を見ながら聞いてきた。 「…あー、色々とあるんだよ。 忙しーの俺は。」 「1年生はもう文化祭の準備始まってるの?」 この立体アートすげーだろ的な俺の視線を無視して果穂は喋り続ける。 「あー、うん、そんな感じかな。」 そうなんだ。 そろそろ文化祭の時期だ。 来週から居残りで準備に追われる日々が始まる。 だから教室での杏奈との密会ができなくなってしまう。 俺は正直焦っていた。 このまま杏奈との関係がうやむやになって、前のような距離感に戻ったらどうしよう…。 いや、前より酷い状態になるのは確実だ。 どうしたらいいんだ……。 俺は思い悩む。 「このスズメ大きくない?」 そんな俺に果穂が作品を突っつく。 は?どこにスズメ? 「これペンギンだからっ!!」 イラッとするわ果穂め!! でもマジでどうにかしないと。 そう思いながら俺は壁掛け時計に目を向けた。 あーー、早く杏奈に会いたい…。 .
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