【4】好きだ、バカ!!

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「5組は文化祭の出し物何やるの?」 俺は杏奈にベッタリ引っ付きながらの質問。 杏奈は俺の髪で遊びながら答える。 「劇。」 「何の?」 「白雪姫。」 「杏奈が白雪姫?」 「違うよ、フフ! こんな日焼けした白雪姫がいる?」 「じゃあ、誰が白雪姫?」 「河邑くん。」 「はあ?河邑?」 「そう。」 「じゃあさ、河邑が白雪姫って事はさ…、 もしかして王子が…?」 「そう私。」 「……。」 「そっちは?2組は何やるの?」 「ラブシーンあるの!?」 俺は杏奈の質問を無視して自分の質問を押し通した。 「は?何の話?」 「だから白雪姫!!」 すると杏奈は左手で自分の顎を擦る。 「うん、あるよ。王子の私が河邑姫にキスするの。」 そしてラブシーンなんか何でもないような口ぶり。 「カレカノなんだから別に問題ないもんね、って事らしいよ。」 「……。」 杏奈は俺の気持ちに気付いてるのか、 それとも単にそれが彼女の自然体なのか、 杏奈は時々俺を傷付ける。 杏奈の言葉一つで俺は幸も不幸にもなってしまう。 「…しないで、キス。」 「え?」 「…何でもない。」 .
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