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……げっ!
なんで全員来てんだよ。
俺は一瞬視線を外し、騒がしくやって来た葵と匠海を一瞥する。
二人とも一瞬で俺とアキの雰囲気を察したのか、視線を所在なさげにさ迷わせていて。
ふ、と息を吸い込んで間を取ってから視線を戻す。
ホントはつかみかかって引き剥がしたいコイツの手。
だけどそんなことをしたら、かれんちゃんを余計におびえさせるのがわかるから。
「別になんもしてえねぇからさ、
その手離せって」
できるだけ穏やかに、けどアキの目からは視線をそらさずに言った。
アキはぐっと口許に力を入れて、今度は敵意を丸出しにして俺をにらんでくる。
駄々漏れてくる、男としての感情。
……やっぱりな。
コイツ、かれんちゃんのこと従兄弟としてなんて見てねぇ。
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