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「ここまでくれば、いいでしょう」
息を切らせて路地裏にしゃがんだ吉乃に対し、変態は涼しい顔だ。
さすがは変態。潜在能力が違う。じゃなくて!
「一体、何がどうなっているのよ! というか、私の庭、爆発したんですけど!」
「あぁ……貴女の体には姿すら隠す、超強力な結界を貼ったので。ご心配なく」
「ご心配なくって……庭はどうなったのよ?」
「とりあえず、名前からいきましょう。貴女と被るので、僕はサクとでも呼んで下さい」
さらっと流した、この変態。
爆発に関しては、すべて無かったことにするらしく、サクは話をサクサクと進める。
「貴女は、家の窓から足を滑らせて転落したようですね。それで、幽霊となってしまった」
諦めて、吉乃も庭のことは一旦忘れる。
そうでもしないと、話も進まない。
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