それはゆっくりと

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side吉野薫 久しぶりに此処にきた蒼様の様子はどこかおかしかった どこが?と言われれば、何も言えないが、どこかおかしかった。 たぶん、優斗様も気づいていらっしゃるでしょう。 なんせ、優斗様と蒼様は…… ─── ── 「寂しくなったな。」 ボソッと呟く優斗様 「寂しくなりましたね」 ──儚くなった。 「お前は蒼のこととなると、そんな顔をするんだな」  「何をおっしゃいますか。優斗様こそ」 一気に空気が張り詰める 「また来ないかな」 「ええ。今度はゆっくり話したいですね」 蒼様が立ち去った扉をみつめて、祈るように呟いた
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