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「そう。佐倉に似合うかと思って」
「でも、いいの?
こんな高そうなもの貰っちゃって」
香水とか、そういうものには少し疎い私でも、これが高そうだってことくらいは分かる。
「気にしないで。
俺の気持ちなんだから」
浩也君は意にも介していない様子で首を横に降る。
「ありがとう。大切にする。
普段は香水使わないけど、特別な日とかに使わせてもらうね」
蓋を開けて鼻を近づけると、私の好きな、淡い匂いがした。
浩也君はどうやら、食だけじゃなくて私の好み全般を知り尽くしているみたいだった。
甘いだけの香水は好きじゃない。
だけど、甘くなさ過ぎるのも好きじゃない。
私の好みはややこしくて、人と少し変わっているのかもしれない。
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