171人が本棚に入れています
本棚に追加
もう11時を回っている。
僕は仕方なく、僕のマンションの住所を告げた。
「よかったら、うちにくるといい」
僕がそういうと、やっと彼女は僕を見た。
「本当に?ありがとう」
その目はやはり猫に似ていた。
マンションの下でタクシーを降りると、彼女はそのまま僕の後ろをついてきた。
エレベーターの中で彼女が、話しかけてきた。
「眼鏡、壊してまって。ごめんなさい」
仕方なく掛けているが、グラスとフレームにはひびが入っている。
「ああ、これなら大丈夫。家にはいくつか置いてるから」
「弁償します。絶対に、弁償しますから」
最初のコメントを投稿しよう!