第1章

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僕は、少し前にもらった誰かの内祝いに、粉末のミルクのスティックがあったのを思い出して、キッチンから持ってきた。   「これでよかったらどうぞ」   「ありがとう」 彼女は素直にそれを入れて、スプーンで混ぜる。 それから少しだけ部屋を見渡して、僕をじっと見た。 匂いこそ嗅いでないが、その様子は初めての場所を調べてる猫の様で、僕は口元が緩みそうになった。
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