第1章

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この店に通い始めたのもこれに出会ったからだ。   「そういうグラスも似合うよね」 榊が僕の肩に体を寄せる。 今夜は白いシャツにジーンズとシンプルだが、ウェーブした長めの髪にプラチナのピアスと見た目も物腰もホストのようで、おおよそ不動産屋には似つかわしくない。 その上ギリシャ彫刻を思わせるこの美貌の持ち主は、タチの悪い事に女にも男にも甘い言葉をかけることが出来る。   「君はそういう見かけで、仕事に支障はないのか?」
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