第1章

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僕は、前から思っていたことを聞いてみた。   「チャラいって言いたいの?生憎だけど、仕事にはむしろ有利に働いてると思うよ。女性の客はほぼ逃がさない。ある種の男性客もだけど」   「そんな風に自分を上手く生かすことのできる君が羨ましいよ」   「あなただって、生かす道は十分あると思うけど」 そう言って、頬杖を傾け、僕の顔を覗き込むように笑った表情が、妙に艶めかしい。   「笙さん…」
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