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まったく鬱陶しい輩だ。
「俺が必要な時は、いつでも言ってよね。笙さんの力になるからさ」
「ああ、引っ越すときは頼むと思うよ。優秀な不動産屋さん」
僕はそう言ってマティーニを飲み干した。
榊が不満そうに何かを言いかけた時、店のドアが開いて、客が入ってきた。
と同時に、その客の一人が、ヒールの音を響かして近づいて来る
「あら、榊さん今晩は~こんなとこで会えるなんてうれしい。一緒に飲みましょうよ」
見なくても、派手さのわかる香りが鼻についた。
巻き込まれるのはごめんだ。
「マスター、チェックを」
察したマスターは、すぐに伝票を渡してくれた。
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