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~プロローグ~
「さっきの写真、見てていい?」
そう言ってかしてもらったケータイ。
ひとつスライドさせると、そこにはわたしじゃない女の人が彼と一緒にいる。
なんで…?
つい三日前の私とのデート写真よりも新しいそれを、信じられない思いで見つめてしまった。
夜景のうつる展望台。
私とは明るい時間に行った。
私はあわててメールのチェックをした。
「野咲 春香」
私とのメールよりはるかに履歴の多いその名前に愕然とする。
開いたメールには“展望台デート楽しかったよ!またつれてって!”
止めを刺されたような文面に、確認するのも怖くなって逃げるように帰った。
その後、彼に言われた言葉。
“ごめん。俺、他に好きな子いるから、別れて!!”
(野咲春香でしょっ!)
そう言うことも出来ず、去っていく背中を呆然と眺めた。
…身勝手だ。
勝手すぎる。
そっちから付き合っといて浮気して、脈ありだから私はポイッ!?
私はあんたのオモチャじゃない!!
大っ嫌い。アイツが。アイツの彼女が。男が。
もう、信じる 何てバカなこと、絶対にしない
―そう、心に決めた
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